「幸せな職場」の経営学

本来経営や経営学の「目的」は、「他者や社会を幸せにする」ことです。
「幸福学」の日本の第一人者・前野隆司慶大大学院教授の著書『幸せな職場の経営学』に書かれているように、幸福度の高い従業員は生産性が高いという実証結果があります。また、はアメリカの研究では、「幸福度の高い従業員の創造性は3倍、生産性は31%、売上げは37%高い」というデータもあり、世界で「幸福度」は科学的に分析され、ビジネスに取り入れられています。
幸せな社員は心の病になりにくく、離職率が低く、利他的で自己肯定感が高く、健康や長寿につながることも分かっています。

「会社が儲かることで、社員を幸せにできる」という考えが当然かと思います。しかしその場合、利益の追求による業績の向上が目的で、社員の幸せの実現はその結果という関係になります。
しかし、逆に社員の幸せが目的で、その結果会社の業績が良くなるという逆の因果関係はありえないでしょうか?
実は、既に枚挙にいとまがないほどたくさんの事例があります。この事例はネットで調べればたくさん出てきますので、ここでは割愛します。

では、実際にこれを実践するにはどうしたらいいのか。これからの時代、トップダウン式の経営ではなく、社員の自主性や創造性を尊重することが要かと思います。
リーダーは調和型で、可能な限り部下に権限譲渡し、働き方は個人の裁量に任せるような仕組みにしなければ業績は上がらなくなる時代に差し掛かっています。
この考えは、2014年にフレデリック・ラルーの著書「Reinventing Organizations」で紹介された「ティール組織」の概念にもつながり、意思決定に関する権限や責任を管理職から個々の従業員に譲渡することで、組織や人材に革新的変化を起きると述べています。

ご承知の通り、日本は人口が減少に転じました。当然に労働人口も減少していきます。
そのような背景から日本の労働環境や労働市場の構造的な変化が起こるのは必然といえます。「働き方改革」はそのような状況を踏まえ促進されるものです。
対応に苦慮される経営者の方々も多いかと思います。しかし、先述のとおり時代は否応なしに変化と改革を突き付けてきます。
むしろ、これを機会ととらえ、大きく飛躍しましょう。
2020年代の御社の働き方、ぜひお力になれれば幸いです。